犬の急性膵炎 発症から入院退院の記録

トイプードル

昨年の秋、
愛犬ボーロ、急性膵炎で緊急入院しました。



今は完治して元気に過ごしていますが、獣医さんの勧めもあり念のために3ヶ月に一度血液検査をしています。


犬の急性膵炎と一言で言っても、
色々な発症状況、症状、治療方法があると思います。
今回はボーロの場合の入院前日、入院当日の様子の記録を書きたいと思います。


膵臓(すいぞう

・食べ物を消化する消化酵素を含む膵液を分泌する役割
・血糖値を下げるインスリンなどのホルモンを産生する

急性膵炎とは

消化酵素が何かの原因で、自分の組織(膵臓周辺の臓器)を破壊する病気


入院前日

朝からの様子

朝からフードを食べない。
これは、食べむらのあるボーロにはよくあることなのであまり心配はしていませんでした。


そしてたまにお祈りのポーズをしていました。
この症状も数ヶ月に一度の頻度でしていたので様子を観察していましたがあまり心配はしていませんでした。この数ヶ月に一度あるお祈りのポーズに関しては、獣医さんに何度か診察、相談をしていましたが、診断結果は原因不明。

・数ヶ月に一度しかおきないこと
・長時間繰り返しているわけではないこと

以上のことから、一過性にの内臓系の痛みか腰などの痛みだと思うと言われていました。
私は毎回このポーズをした時や気になることがある時には、必ず記録として写真や動画を撮っています。



▼お祈りのポーズをするボーロ



午後からの様子

夕方から繰り返すやわらかい便。
この時も朝から何も食べていないし、お腹の調子が良くないのかなと思い今夜様子をみてみよう。
続くようなら明日の朝に病院に行こうと思っていました。

夜の様子

だんだんと便に血のような物が混じるように。
夜中には、血便と普通色の便の下痢を5回〜6回繰り返しました。
とても辛そうなのが見てわかりましたが、何もしてあげることができず朝になるのを待ちました。


入院当日

朝の様子

朝はいつも通り起きましたが、昨日から何も食べていないことと、繰り返す下痢で元気がありませんでした。
とても体調が悪く元気がないのに、ボーロは便意があるとトイレに走って行きました。
部屋を汚すことは一度もありませんでした。

かかりつけ医に電話

今は動物病院もまだ完全予約での診察になります。
しかし、急を要する容態なので病院の診察開始時刻9時にすぐに電話をかけました。
その時には血便というよりは下血、そして吐血を数回繰り返していました。

電話で症状を伝えると、すぐに連れて来てくださいと言われました。
動物病院まではゆっくり歩いて20〜30分。
元気な時はお散歩の距離です。
夫がいる時は車で行くこともありますが、夫は数日前から泊まりで実家に帰省中。
急いで自宅にタクシーを呼びました。
幸い5分も待たずにタクシーが来てくれたのですぐに病院に着きました。


動物病院受診

診察

受付後、すぐに診察室に呼ばれました。
昨日からの症状を細かく伝え、念のため今朝自宅でした下血のトイレシートも渡しました。

触診後、血液検査のためボーロを預けました。
数分後、ボーロを渡されて待合室でしばらく血液検査の結果を待ちました。

いつも受診する時は抱っこで待合室で待ちます。
しかし、今回は嘔吐や便が出てしまう可能性があったのでクレートにトイレシートを敷いて入れていました。

この時はまさか一緒に帰れないとは思っていなかったので、帰り道に抱っこしてあげていればよかったと後悔しかありませんでした。

血液検査

再び、診察室に呼ばれました。
血液検査の結果がよくない。
この結果から急性膵炎の疑いが一番高い。
院内では計測することができない膵特異リパーゼという項目の検査を外注に出します。
この数値により病名がはっきりとわかるが、数値が非常に悪いのでほぼ膵炎で間違いないだろうとの診断でした。

《 臓器の炎症に関する項目 》

CRP (C反応性蛋白)
タンパク質の血中濃度を示す数値
感染症や疾患など全身性の炎症反応の度合いを判定する重要な指標


膵炎に関する項目 》


AMYL(アミラーゼ)
LIPA (リパーゼ)
主に膵臓から分泌される消化酵素。膵炎の指標として用いられる

犬膵特異リパーゼ

膵酵素の活性を検出するのではなく膵臓由来のリパーゼに対して特異的な抗体を用いて膵リパーゼを測定する。膵炎では80%以上の症例で上昇すると言われている。



退院後、お薬の影響かどうかは不明でしたが肝臓の数値が少々高めになってしまい、しばらく肝臓のお薬を飲みました。



診察結果

治療方法

まずは治療方法についてのお話しがありました。

直ちに膵炎の治療をはじめたい。
急性膵炎には入院と通院での治療があるが、特別な理由がある場合や症状の軽い場合を除き入院での治療になる。
今の症状と数値では入院での治療を進める、とのお話しがあり入院での治療をお願いしました。


すぐに点滴での治療をはじめる。
そして数日間の絶食。
入院時点で、1日半何も食べていないことを伝えておきました。


想像していた以上の悪い状態に、心配と動揺で帰り道のことはあまり記憶にありません。

入院中の連絡は?

入院中病院から経過や症状について特別なことがない限り電話連絡はなし。
電話をくだされば様子を報告します。とのことでした。

入院中の面会は?

先生から面会については自由であるが入院中は会わないことをすすめる。
飼い主さんに会えることはとても嬉しいことだが、またすぐに置いていかれてしまうというストレスは体にあまりよくないとのお話でした。
病院から様子を伝える電話連絡はしないので、いつでも電話をしてきて様子を聞いてくださいと言われました。


入院

そして、そのまま入院。
その日のお支払いはなく、退院時に全て精算。
普段自宅で使用しているベッドを持ってきてもいいかと聞くと、治療で汚れてしまう場合もあるので全て病院のものを使用しますとのお話しがありました。


入院中の様子

その後、毎日病院に電話をしてボーロの様子を聞きました。
診療時間内なので先生のお手隙の時間に折り返しお電話をくださる場合もありました。

・全体状態
・排便や嘔吐
・治療内容
・食事
などなど毎日詳しく教えてくれました。


自宅ではボーロのいない生活に慣れず色々なことを考えなくていいように、じっとすることなく掃除や片付けをして常に動いていました。


少しでも考えると涙が出てきてしまいそうな精神状態でした。



退院

退院の連絡

入院から5日目の朝病院から電話がありました。
血液検査の結果が回復していること、状態が安定していることから退院をさせたいと思うと。


待ちに待った退院の連絡でした。
午前中診療の1番最後の時間帯に来院予約。
ちょうどお昼の時間帯ということもあり在宅勤務中の夫も一緒にお迎えに行きました。

入院中の報告

入院中に行った治療についての詳しいお話がありました。

 治療方法  入院中の食事
点滴 ロイヤルカナン消化器サポート缶詰 

▼こちらの缶詰です


ロイヤルカナンの療養食は、こちらの病院が推奨するフードでした。
退院時にドッグフードのサンプルをいくつかもらいました。



今後について

定期検診

しばらくの間、3〜4ヶ月に一度血液検査をして様子をみましょうとお話しがありました。

膵炎の内服薬を9日分処方されました。



私は犬の薬の管理をこのようにしています。
「あれ?飲ませたかな?」とならないように薬の管理は慎重にしています。
4kg未満の小さな体なので、もし2回分を一度に飲んでしまったら大変なことです。
こちらの病院はこのような形で処方されるので、帰宅後に必ず日付と朝夜を記入しています。


お散歩

今まで通りで大丈夫だが、退院後の数日は無理させず短時間が好ましいと。


今後の食事

先生から今後の食事についてお話しがありました。
膵炎発症のリスクを高めないために、脂肪の少ない食事が望ましい。
ボーロの場合は、今までも高脂肪食を摂取していませんでした。

療養食のドッグフード

療養食のドッグフードは、通常のドッグフードに比べると味気なくあまり美味しくないと思う。
はじめのうちは初めて食べる味に食い付きがいいと思うが、その後はなかなか食べない犬もいるらしい。そんな時は、缶詰を与えたり今までのフードをあげたりして様子をみるようにしてください。と言われました。

幸い、ボーロの場合はこのフードがお口に合うようでとてもよく食べてくれます。
しかし、時には食べない時もあります。
理由はわかりませんが、夜に食べずに寝てしまい、朝も食べようとしない時には缶詰をあげます。
病気をするまでは缶詰を数回しか食べたことがありませんでした。しかし、入院中に食べていたこともあり缶詰を開けるとすごい勢いで走ってハウスに入り待っています。
ドッグフードとは違う美味しさがあるのでしょうね。

入院中に食べていた缶詰と同じものです。
ドッグフードと同じ種類の缶詰になります。

ロイヤルカナン 犬用 消化器サポート 低脂肪 ウエット 缶(200g*12缶セット)【ロイヤルカナン療法食】



その後は、私が調理中にツナ缶やコーン缶をパカッと開けると走ってハウスに入ってしまいます。
その度に、ゴメンねー違うのよと謝っています。
缶詰、とても美味しいんでしょうね。


ボーロは体重3.8kg程の小型犬。
よってドッグフードは小型犬用になります。
この小型犬用のドッグフードは公式ショップでのネット販売か病院での購入になります。
ネットでの注文は到着に日数がかかってしますので、退院翌日にとりあえず病院で1kg入りを購入しました。

病院では1kg入りしか取り扱いがありませんでした。
公式ショップでは3kg入りを注文しました。



まとめ

突然おきた初めての入院で本当にびっくりしました。
普段の生活で防げることもありますが、ボーロのように獣医さんがいうよう原因不明で突然発症する場合もあるようです。
今後もボーロとの時間を大切に穏やかな日々を過ごしていきたいです。


▼自宅に一緒に帰るボーロ
 退院時に点滴を外したので手の絆創膏が痛々しいです